青いビンの底

私の、誠実さ(に近いもの)になりうる手段

ブランニューデイ

今日は新しい人が職場に来た。

寝起きは最悪で、(しかしそうなることはある程度予想していたので)今日は歯医者に行くから遅れる、と父に嘘をついておいた。

そもそも嘘をつくことが苦手な性格だ。

しかし慣れることはできる。

僕は嘘をつくことにずいぶんと慣れてしまった。もしかしたら、父も嘘をつかれることに慣れているのかもしれない。そんな気がした。

 

新しい人に対しては、そこまでいい印象を与えなかっただろう。そしてまた、極端に悪い印象も与えていない。はずだ。

 

朝起きるまでに、ちょうど2時間の感覚で4回目が覚めた。ブロンの覚醒作用と思われる。

眠りが浅くなるためか、そういう日の調子はひどいものだ。

今日も体調・精神面ともにバッドコンディションであった。身体が火照り、汗が止まらない。

覚悟しておくとそこまでパニックを引き起こすことはないが、自臭症持ちとしてはやはりなかなかにキツい。

身体が火照るたびに臭いがきつくなっていっている。気がしてならない。この自臭症というやつは、自分では臭いが確認できないのでたちが悪い。一度モードに入ってしまうと、その焦りがますます火照りを助長し、負のスパイラルに陥っていく。

この自臭症には本当に苦しめられている。日中何が1番辛いかと言えば、これなのだ。

なぜ人が臭いものを忌避するか。たぶん、有毒なガス、腐敗したものの臭いや死臭、その他衛生的な問題を回避するためだろう。

当然臭いやつは集団から切り離される。なんらかの疾患があれば、それは感染するかもしれないし、不衛生な個体からは遠ざかりたいものだろう。

集団から疎外されることへの恐れ。実に明確な社会不安の構造である。

 

嘘をつくことに慣れてしまったと書いた。

ブロン依存が再燃してから、僕は仕事に遅刻する事が多くなり、休みがちにもなった。

父はこういう場合、直接僕に注意する事はなく、これまた同じ職場で、今は休職中の姉に愚痴る。

先日姉夫婦と姪、旦那さんの父と集まった。

姪は姉以外に抱かれるとぐずる事が多いが、その時私が抱いても、平然としていた。

姉は言った。「同じ赤ちゃん的なところがあるからじゃないか」と。

侮蔑と冷笑の混ざった表情がそこにはあった。

私は常に家族の問題であった。

家族のみなが共有する問題そのものであった。

家族の構造というのは滅多な事がない限り変わらないものだ。

私の家族の"滅多なこと"は母の死であった。

私は父の攻撃性のはけ口になり、「障害者」と言われた。

そんな風にして多くのことが変わった。

そして、僕は黒い羊としての地位を得た。

 

僕にとって、家族ほど他者との隔絶を感じさせる者は他にいない。

なぜなら、もっとも近しい間柄であるからだ。

 

他者との関係で自らの位置を確認せざるを得ない、その人間の社会性というやつにはほとほとうんざりさせられている。

 

今日はなんだか疲れた。

新しい事は疲れる。新しい喜びをもたらすわけでもないのに。僕が怠惰な人間だから、というのがおおよその見解である。

 

とりあえず今日はやり過ごした。

明日は手伝いの人は来ない。

圧倒的他者たる父と2人で労働に勤しむということだ。

 

ずいぶんと陰惨な日記だ。

が、まぁこんなもんだろう。

 

薬なんてさっさと辞めたほうがいい。わかっているよそんなこと。

明日から頑張ろう。

明日から、ね。